生き方
昨年、ギャラリーGで行った3人展で出逢ったSさん。
「またいつかきっと、お会いしましょうね」と約束しながら時は流れ、やっと先日再会できた。
Sさんのこれまでのお仕事のこと、そして4月からは、まったく方向転換して新しい生き方がはじまることなど、話はどんどん熱くなっていった。その新しい生き方は、私たちの「姉・弟・妹 3人展」が少なからず影響したようだ。
いままでは、自分の思うままにやりたいことを信念を持ってやってきた。しかし、人生の後半に差し掛かった時、これまで支えられてきた両親や兄弟のことを思う。
「どこで、誰のそばで、何を成すべきか!」
仕事で日本中を飛び回り、忙しくされてきたSさん。郷里の対馬で新しい生活を始めると言う。しかし、今までしてきたことも、これからの仕事にいいかたちで反映されると聞いて、こちらの気持ちまでワクワクしてきた。
Sさんから、内祝いとして使いたいと、作品の注文をいただいた。数点写メールしたなかで、貝のような花器にツルバラをあしらったものを選ばれた。プレゼントには、シックなバラをあしらったものを。そして、何と、赤いバラのセットは自分にほしいと。幸いにもちょうど花器も同じものを2点作っていたので喜んで対応できた。私自身、とても気に入っている作品だったので、おふたりの絆にと求めていただいたことは本当に嬉しい。
ちょうど今、読んでいた本が、Sさんも読んでいると聞き、ちょっと驚いた。
京セラを設立された稲盛和夫さんの「生き方」。
2004年に初版され、現在97刷発行のロングセラーだ。
最後に、こう書いてある。
『一生懸命働くこと、感謝の心を忘れないこと、善き思い、正しい行いに努めること、素直な反省心でいつも自分を律すること、日々の暮らしの中で心を磨き、人格を高めつづけること。すなわち、このような当たり前のことを一生懸命行っていくことに、まさに生きる意義があるし、それ以外に、人間としての「生き方」はないように思います』
謙虚で力強い言葉が詰まった内容に、毎日、教えられることばかり。
郷里広島に転居し、そろそろ1年になる。東京で自由に動き回っていた生活は、いまでは自分の時間はかなり制約されている。しかし、家族と過ごす生活に意味を感じている。Sさんも、まったく新しい生活が始まろうとしている。共に自分自身に与えられた使命、つまり「生き方」を真摯な気持ちで模索中ということかな、
2013.03.25 | | Comments(0) | つぶやき